ミニだけど、精緻

まるで Veritas のフルサイズのベベルアップタイプ(刃の砥ぎ面が上向き)のプレーンをそのまま縮小したかのように、ボディも調整機能も精緻な作り。
調整はいずれも、ローレット(滑り止めのための細かい凹凸加工)が施されたツマミネジを指で回すことで行えます。
① 刃の出具合調整:ノリス式アジャスターで簡単に正確に
ノリス式アジャスターとは一つのノブで 2 方向の調整機能を持つ仕組み。
ノブの回転 ⇒ 刃の突き出し量
ノブの左右移動 ⇒ 刃の水平方向の角度
②ブレードの固定:押さえ金で簡単に正確に
ブレードのセンターラインを固定しつつ、刃幅全体をしっかり押さえる仕組み。
ノブの開け締めで押さえ金とブレードを簡単に着脱することができます。
※刃口の開口量調整機能はありませんが、開口は小さめに作られています。
ミニだけど、実働的
ミニチュアと言えど、しっかり働いてくれます。大きな鉋ではやりにくいような、細い、或いは短いワークの削りや面取り作業などに重宝します。

① 比較的広い面や、逆に重心バランスの調整が必要な場合には、フロントノブとハンドルをしっかりつかんで。
② 幅の狭い木端面などは、フロントノブ側の人差し指を鉋台の下端に添えて鉋がよろめかないように。
上図では見えにくいですが、ハンドル側の手の親指と中指で鉋台の両脇の丸いクボミの位置を挟み、人差し指は押さえ金の上、薬指はワークの側面に沿わせています。正確な面取り(角面)を施したい時も有効なスタイル。

③ ワークを保持するために片手が必要な時、細い面や面取り作業の場合は、片手で操作。②同様、鉋台の両脇の丸いクボミの位置を親指と中指で摘まむように保持し、人差し指でフロントノブを抑えると操作しやすい。
④ 鉋台の両側面が下端に対して正確に直角に加工されているので、基準となる平面が整った状態を設定できれば、木口や木端を基準面に対して直角に削ることもできます。
刃先角の変更により、1丁で何役も
ベッドアングル(刃が接地する面[表馴染]の角度)が 13°、付属のブレードの初期設定ベベル(刃先角)が 25°なので、初期設定切削角は 38°となります。
刃先角を変更することで切削角調整することができ、多様な樹種、木理(繊維方向)に適応させることができます。
一般的に木口面および軟材ほど鋭角、硬材ほど鈍角が適しています。詳細については
Veritas ベベルアッププレーン #1の商品ページをご参照ください。
なお、本商品には刃口加工調整機能が付いていませんので、逆目ぼれを十分に抑制することができないことがあります。

刃先角の変更はマイクロベベル(微小な 2 段研ぎ)によって行ってください。ただし鈍角方向に限ります。
鋭角方向に変更する場合は、ベベル全面を砥ぎ直す必要があります。
別売の替刃を複数ご用意いただき、用途に応じて異なる刃先角に設定すると効率的です。
また、刃先角設定の精度向上のためには
Veritas ミニチュアホーニングガイドのご使用がおすすめです。
機能を十分に発揮させるための素材

① ブレード:A2 工具鋼
高硬度の工具鋼。優れた耐摩耗性と高い靭性を有し、切削工具などに適した鋼材。
刃先角 25°に初期設定されています。そのままの角度で使用する場合も改めて仕上砥で砥ぐことをおすすめします。
② 鉋台:ステンレス鋳鋼
複雑な形状や細かい製品の製造に適したインベストメント(焼き流し)鋳造
ソール(下端)が同一平面、両側面がソールに対して直角になるように、研削加工されています。
③フロントノブおよびハンドル:ウォールナット
高級感のある美しい木肌が得られるだけでなく、耐久性・耐衝撃性に優れ、狂いが少なく加工性も良い。
Veritas ミニチュアツールシリーズ

左上から順に
T_2904 Veritas ミニチュア・ショルダープレーン
T_2906 Veritas ミニチュア・エッジプレーン (右: Right)
T_2913 Veritas ミニチュア・ローアングルブロックプレーン
T_201503 Veritas ミニチュア・ベベルアップジャックプレーン
T_2908 Veritas ミニチュア・ルータープレーン
T_2928 Veritas ミニチュア・スポークシェイブ