テンプレート不要!「トリマル君」でトレーをつくる

トリマーサークルカットジグ「トリマル君」を使って、トレーをつくります。

トレーは通常、ルーターとディッシュビットなどで加工しますが、くぼみの形のテンプレートを作成し、材料にしっかり固定するジグの作成など、事前準備も必要です。

ここでは「トリマル君」を使い、簡単な予備加工だけでトレーをつくってみました。

幅が約180mm、厚さ22mmのタモ材を用意しました。
トレーは直径180mmの円盤にします。
ルータービットは、刃径6mmのスパイラルビットを使用しました。

円の中心を罫書きます。
次に、中心から30mmずつ離れたところに3カ所、しるしを付けます。

予備加工は、4つの穴を開けるだけ!

まず、「トリマル君」のセンターピンを差し込む穴(直径4mm、深さ5mm)を3つ開けます。ハンドドリルで構いません。
残りの1つは、ルータービットで円溝を削りはじめる部分の穴で、直径19.1mmのフォスナービットであけました

続けて「トリマル君」でカットしたい寸法に目盛を合わせます。

 

トリマル君はセンターピンからトリマーの中心までの長さと、目盛の数値が同じ値になるように設計されています。

ですが、使用するビットの刃径(半径)分、目盛の数値より多く削れます。

 

円盤を作りたい場合や内径ぴったりの溝を掘りたい場合などは、きっちり寸法を合わせるために簡単な計算が必要になります。

まずは円盤を切り出します。

この作例では刃径6mmのビットで直径180mmのトレーにしたいため、センターピンからビットの内側までの距離を90mmにします。
目盛ではビットの半径分多く設定します。

 

円盤の半径(90mm)+ルータービットの半径(3mm)
=93mm

 

※最後に仕上げ削りをするため、少し大きめの93.5mmに設定しました。

削り量に注意!

ルータービットの突出し量は3mm位がおすすめです。1周加工するごとに段階的に突出し量を増やします。
※切削量が多いと、仕上がりが悪くなるばかりでなく、キックバックなどの危険が増大します。

材料にあけた穴に、センターピンを差し込みます。

「トリマル君」をしっかり保持し、トリマーのスイッチを入れます。

 

※ルータービットは必ず、材料に接触していないところ削りはじめます。(目盛を合わせる際に仕上がり半径より少し大きく設定したので、材料の木口部分に接触しない位置があります)

 

反時計まわりに回して切削します。

1周切削するごとに、ビットの突出し量を段階的に増やしていきます。

ビットで完全に切り離してしまうと円盤と周囲の材料が動いてしまうため、ビットの深さは材料が厚紙一枚ほどつながったまま残るようにすると安全です。


※紙一枚残した部分は、カッターナイフなどで切り離します。

「トリマル君」は、センターピンの位置を微動させることができます。
この機能を用いて、外周を仕上げ切削してみましょう。

 

センターピンを微動させる時は、左右のノブだけを軽くゆるめておきます。

 

「トリマル君」を円盤にセットし、しっかり保持した状態でトリマーのスイッチを入れます。

ビットが回転している状態で、マイクロアジャストノブを左に回すと、半径がわずかに小さくなっていきます。

回転しているビットが、仕上がり半径まで切り込みました。
トリマーをしっかり保持しながら、センターピンの左右のノブをしっかりしめます。

「トリマル君」を反時計回りに動かして切削します。

外周の仕上げ切削をした円盤です。

続けて、トレーのくぼみを加工します。
くぼみは直径100mmの2つの円を組み合わせたデザインです。

直径100mmのくぼみを作るには、今度はセンターピンからビットの外側までの距離を50mmになるようにします。
目盛ではビットの半径分少なく設定します。


円溝の半径(50mm)-ルータービットの半径(3mm)=47mm

 

※外周の場合と計算が異なります。

あらかじめドリルであけた穴から削り始めます。
ルータービットが材料に接触していないことを確認して、トリマーのスイッチを入れます。

ひとつめの円溝を加工しました。

2つの円溝を、フォスナービットの穴の深さまで段階的に切削しました。

ボール盤に取り付けたフォスナービットで、円溝の内側を荒取りします。

「トリマル君」で加工した円溝が、くぼみの輪郭のテンプレートの役割を果たします。
トリマーを拡張サブベースに付け替え、ルータービットは「ベアリング付ディッシュビット」に交換して加工をすすめます。

「ベアリング付ディッシュビット」で少しずつ彫りすすめます。

トレーの底面もきれいに切削できました。

オイルで仕上げました。

裏面は、6Rの丸面ビットで面取りしました。

2つの円の接する部分が、面白いフォルムになっています。

 

テンプレートを用意しなくても加工できるので、抵抗なく始められます。
是非チャレンジしてみてください。

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