ターニング道場 フタ付き小物入れ

身とフタで木目が通った入れ物の作り方を紹介!

ブビンガの角材からフタ付きの小物入れを作ってみましょう。
テクスチャリングツールも使って、手作業では難しい模様もつけてみましょう。

下記の作成手順は、あくまでも参考です。
これらの手順は、作成者の技能、環境や材料、道具等が異なればそれらに適した対応が必要になります。最も安全で最適な方法を考慮し、おこなってください。
怪我・失敗等につきましては当社は責任を負いかねます。

作成手順で使用している商品は、ページ最後の「このHOW TOで使用した商品」より詳細がご覧いただけます。

フタ付きの入れ物を作ってみます。
ブビンガの角材を木工旋盤にセットします。

ラフィングガウジを使って丸棒にしたあと、パーティングツールで左右両端にチャックで掴むための出っ張り(ツカミ)を作ります。
出っ張りは約10mm、径は42mm程度にします。

このように出っ張り(ツカミ)が出来ました。

チャックでワークをしっかり固定します。
ジョーは標準的なサイズの50mmジョーを使用しています。

フタと身を作りますので、予定の大きさを考えながら、パーティングツールでスリットを入れ徐々に細くします。

最終的に細くなった部分をねじり切って切断します。

Robert Sorbyのマイクロ・ターニングツールに用意されているスクレーパー形式の替ブレードです。
マイクロ・中ぐりセットを更に充実させた内容にバージョンアップすることができます。

上からラウンド・サイドカット、フレンチ・カーブド、ダイヤモンド・サイドカット。

チャックに残った材料をフタにします。フレンチ・カーブドやラウンド・スクレーパーを使ってフタの内側を形作ります。
フタの内側のエッジ部分はダイヤモンド・サイドカットを使って直角に丁寧に加工します。

フタの深さを考えながら、フタ全体の大きさを決めて、およその位置に切断する目印を付けておきます。

チャックをゆるめてワークを一旦はずします。

フタの内径をノギスで計測します。

もう一つのワークをチャックに固定します。こちらが身になる方です。
フタが入るように慎重に計測しながらパーティングツールなどで身の接合部を丁寧に作ります。

先に作ったフタを身にはめ込み、テールストックでおさえます。

先に印を付けた部分で材料をカットします。
パーティングツールでスリットを徐々に深くして行きます。

きつくハマっていたフタも、少しゆるくなったりすることがあります。

そんな場合は、テッシュペーパーを挟み込んでフタをすれば隙間が解消される場合があります。
また、木材によって適さない物もありますが、水を少し塗って材料を膨張させる方法もあります。
とにかくキッチリ身とフタがハマっていないと回転させながら身とフタのつなぎ目を加工出来ないので重要なポイントとなります。

フィンガーネイル型にシャープニングしたスピンドルガウジなどでエンドグレイン(木口)部分をクリーンカットします。

フリーハンドでカービングした様に見える効果を狙って、Robert Sroby テクスチャリングカッターを使ってみます。

カッターを任意に動かし(わざと動かす)フリーハンドでカービングした様なパターンを作りだす事が出来ました。

 

テクスチャリングは刃を当てる角度や動かし方次第で、同じ刃でも違った模様が加工できます。
慣れない内は思うように加工できないことも多いので、本番で加工する前に練習することをおすすめします。

フタには更に装飾としてスキューチゼルのロングポイント(先端)を使って細いラインを入れてみました。

スピンドルガウジで形状や面を整えたら、サンドペーパーで細部の仕上げ作業をします。
身とフタを一緒に削りますので段差は出来ません。

外側の加工を終えてからフタを外してみると、はさまっていたティッシュがきれいに丸くなって現われました。

ここから身の中を掘りこんで行きます。

ビーディング&パーティングツールで荒削りします。

ラウンド・サイドカットや、フレンチ・カーブド、などの先端や横が丸いタイプのスクレーパーを使って内部の深さとカーブを調整します。

フタと身がカミ合った時に隙間が出来るように身のエッジに小さな段を作ります。ビーディング&パーティングツールを良くシャープニングして木工旋盤のスピードは回転数を高めにします。

シャープエッジの段が出来ました。

フタをしてみますと、細いスリットが出来ました。

実際に使う場合は、身とフタがキツイと使いづらい事もあるので、必要に応じて身のはめ合い部分をサンドペーパーで若干落としてあげます。

パーティングツールで身を切断するためのスリットを入れます。切り取る寸前で木工旋盤を止めて、手ノコやカッターナイフで切り落とします。

身の底の部分を整える為に、ジグを作ります。
フタを作った時に余った材料をチャックにセットします。

身のはめ合い部分のサイズにピッタリ合わせます。
ワークが外れて飛んだりしないように、丁寧に作業しましょう。

きっちり身がジグにハマっています。

あまり負荷をかけないように注意しながら、切りっぱなしだった身の底面をパーティングツールなどで加工します。

エンドグレイン(木口)を加工する時はツールのシャープニングをしっかりして、負荷を最小限にして行いましょう。周速スピードを考え、外周に近くなればなるほど、負荷を減らすように心がけましょう。ワークが外れて飛ぶなどの危険を回避できるように工夫します。

木目がフタから身にタテにつながっているフタ付き小物入れの完成です!

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