ここでは弊社で販売する上図①、②のボールペンリフィル(芯)、弊社では便宜上“油性ボールペン替え芯Bタイプ”と呼称しているリフィルの互換性についてご案内いたします。
このタイプのリフィルはJISの規格ではG2という形式に分類されます。もともとイギリスの筆記具ブランドのパーカーが最初に考案したもので、その後ほかの筆記具ブランドでも同タイプのリフィルが採用されるようになったことから、通称”パーカータイプ”とも呼ばれます。
好みのリフィルを使用する楽しみ
パーカータイプのリフィルは世界中で普及し愛用者が多いため数多くのメーカーで製造されており、数えきれないほど多くの銘柄が存在します。
これらは基本的には互換性があり、各社とも異なるインクを採用したり、独自の技術によって書き味や筆記性能に特色を持たせているので、ボールペンのユーザーはご自身の好みによって最適なリフィルを選んで使用することができます。
一方で、多くの銘柄が存在するからこそG2、パーカータイプのボールペンリフィルの互換性について押さえておきたい注意点もあるのでご紹介していきます。
別のリフィルへののりかえにはご注意を!(特に全長)
すでに使用中のペンのリフィルから、別銘柄のリフィルに交換する際はリフィルの全長にご注意ください。
こちらはJIS S 6039に定めるG2リフィルの寸法規定を一部抜粋したものです。
a 全長 | b 尾栓の外径 | c ペン先端のチップの外径 |
---|---|---|
98.1mm(+0.40mm,-0.35mm) | 6mm(+0.1mm,-0.2mm) | 2.54mm(+0.03mm,-0.04mm) |

規格では上記以外の各部の寸法についても細かく規定していますが、ここで特に注目したいのは全長です。
JISの定める規格寸法にもプラスマイナスの許容範囲が設けられており、実際に各銘柄で計測してみるとそれぞれ少しずつ全長が異なっています。
全長が異なるリフィルに交換するとペン先が口金から出る長さがわずかながら変わってきます。それでもほとんどの場合使用に差し支えないですが、細かいことを言えば見た目のバランスは変わります。
この“ペン先の出具合”、“見た目のバランス”は、既製品のボールペンではなくて、オリジナルのペンを制作するペンターニングにおいては制作者が決める部分であるため、ペンターナーとしては当然こだわりたいところですよね。
以下、弊社で販売する2種類と、市販品の代表としてパーカーのリフィル1種の計3点のペン先の出具合を比較してみました。どのリフィルも同じ1本のペンに装着して比較しています。



ニードルポイントと砲弾型のペン先では比較しにくいですが、M_0300とパーカークインクフローとではペン先が口金から出る長さが異なっています。
どのリフィルも問題なく使用できるわけですが、別のリフィルに交換する場合にはこのような差が出ることがあるため、ボールペンの制作時にはどの銘柄のリフィルを使用するのかという点も含めてペン先の出具合を決めていただけるとよいと思いますので、参考にしてみてください。