シューさんのレビュー一覧

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まだ試し切削はしていませんが、機械を見ての感想を言うと、とてもよくできています。

投稿日時:2024/10/24 09:43:36

レビュー対象商品:□ LAGUNA 14bx 14インチバンドソー

おすすめ度:

まだ試し切削はしていませんが、機械を見ての感想を言うと、とてもよくできています。
以前使っていた機種(一時廃業を考えていたためすでに手放した)は、日立のCB65F(16インチ/クラウンタイヤ)と
服部のBH26(26インチ/フラットタイヤ)の2機種でしたが、両方とも日本製バンドソーにありがちなこととして、
テーブル直下にスラストベアリング(ブレード後退防止のストッパーベアリング)が付いておらず、
これが最大の欠点で、細刃の精確な使用が難しいため、自分で改造してスラストベアリングを取り付けて、
かなり神経質な調整をしながら使っていました。この2機種に比べると、bxの造りは雲泥の差です。

前々から思っていたことですが、個人工房の規模で使う、中型・小型の木工用バンドソー分野の日本の後進性は嘆かわしい限りです。
テーブル下にスラストベアリングがまともに付いているという、その一点だけでも、台湾製や中国製の方が10倍まともです。
アメリカに至っては、バンドソーをめぐる環境にはバンドソー文化と呼べるものがあります。
メーカー数も、廃業した昔のメーカーも含めれば、数えきれないくらいありますし、中古を含め、
機種の選択は選り取り見取りの上に、書籍やビデオ(YouTube含む)などによる情報共有はほぼ無限に行われており、学ぶ機会がいくらでもあり、
また、アタッチメント・デバイスの種類もふんだんにあります。
私が使ったことのあるアメリカ製は、Oliverの30インチ、Yatesの20インチ、およびDeltaの14インチの3機種でしたが、
どれも安定して使える信頼度の高いものでした。

バンドソー分野の日本の後進性の原因は、おそらく日本の木工の伝統が建築主体のものであったことによると私は考えています。
技術力の問題ではなく。バンドソーの真価が発揮される個人工房規模の家具作りや弦楽器制作(バイオリン属やギター類)などの領域では、日本はやはり後進国なのだと思います。
だから需要そのものがなかったのです。確かに日本の木工文化には、刃物の伝統を含め、世界に冠たる優れたものがあるのですが、
すべての分野で優れている訳ではなく、その点は素直に認めるべきでしょう。

中国製とアメリカ製のバンドソーを同時に扱っているのは、現在のところおそらく貴社だけではないでしょうか?
KERV製品の試みにもたいへん好感が持てます。今後ともバンドソーには注力していただいて、日本のバンドソー環境の向上に貢献してもらえればと思います。
大型の製材機も含めれば、バンドソーは何と言ってもすべての木工作業の原点にある機械なのだから。
私が生きているうちには無理かもしれませんが、将来優れた日本製のバンドソーが誕生することを心から期待します。

なお、本音を言えば、18インチが欲しかったです。やはりホイールの直径が大きい方が、ブレードへの負担は少ないはずです。
ただしあまり大きいと、ブレードの取り回しや管理が大変になるので、ある程度のコンパクトさも欲しいです。
その意味で、個人で使うには、18インチぐらいがいちばんバランスが取れていると思うのです。
パワーや切削高さ・幅、そしてブレードの長切れなどの能力とコンパクトさのバランスが。

また、バンドソーの機種の紹介には、必ずホイール直径を全面的に表示することを強くお勧めします。
ホイールの直径でバンドソーの性格と能力の大半が決まるのだから、何と言っても分かりやすいのです。
インチ表示とミリ表示を併用すればよいです。バンドソーのホイール直径を第一に表示するのは、米英に限らす世界標準であるはずです。

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