250mm 幅の集成材だけでつくるオープンシェルフ(Kregポケットホールジグ)

仕切りの枚数を一列ごとに変えて印象的な仕上がりに。クレッグジグの利点は材料の裏側からビスを打って固定できること。
表面からはビス穴が見えません。簡単加工なのにプロが作ったような仕上がりに!

材料は250mm の集成材のみ!

材料が安価で入手しやすいことも「つくりたい!」を実現させる大きなポイント!
今回は長さ1800mm・幅250mm の集成材を4枚使用、木材費用は約10,000 円とリーズナブル!
(※参考価格:1枚2,500 円とした場合)

箱物家具は必要な部材寸法が複雑になりがちですが、今回の作例はなんと2サイズの部材をカットするだけ!クレッグジグのポケットホールジョイントだから、加工がラクラク。一日あれば余裕で完成できちゃいます。

2列目で終了すればもっとコンパクトなシェルフに。部材が少ないので寸法の変更も簡単!材料のカット寸法・棚の枚数を変えていただければ、ご希望のサイズに自由自在に変更が可能です。

下記の作成手順は、あくまでも参考です。
これらの手順は、作成者の技能、環境や材料、道具等が異なればそれらに適した対応が必要になります。最も安全で最適な方法を考慮し、おこなってください。
怪我・失敗等につきましては当社は責任を負いかねます。

作成手順で使用している商品は、ページ最後の「このHOW TOで使用した商品」より詳細がご覧いただけます。
もくじ


必要な材料と道具
概要と設計図
加工1・材料のカット
加工2・クレッグジグのセッティング
加工3・ポケットホールの加工
加工4・組み立て

 

必要な材料と道具

「長さ1800mm× 幅250mm× 板厚18mm パイン集成材」4枚
1種の材料だけでつくることができます。

ホームセンターなどで手軽に入手することができる集成材です。柔らかく加工性に優れた材料なのででDIY にうってつけ!

Kreg ポケットホールスクリュー 25mm 粗目 (500 本入)

クレッグのスクリューは使用する板厚ごとに最適な長さが決められています。
今回使用する材料は板厚18mm なので25mm のスクリューを使用します。

スクリュー使用予定本数は96 本。大容量でお値段オトクな500 本入りがオススメです!

おもに使用する道具


材料の切断
③丸のこ(※)
手持ちタイプの丸ノコでもカットはできますが、直角の精度を出しやすく使いやすいスライド丸ノコ( 写真) が大変便利です。
※弊社での取扱いはございません。お近くのホームセンター等でお買い求めください。
④Kreg プレシジョントラック& ストップキット KMS8000M

今回の作例に必須の道具ではありませんが、同じ寸法の材料を大量に用意する必要がある場合には特にオススメ!
アルミ製レール4本とユニークな発想のストッパー2種類がついたメジャー付きアルミ製トラックキット。
当てずっぽうなカットや穴あけから抜け出して、より正確に、スピーディーな切断や穴あけができるようになります。

 

材料の組み立て
⑤クレッグジグK5(K4 でも可)
⑥クランプ(写真はKreg 6”ウッドプロジェクトクランプ)

⑦Kreg ライトアングルクランプ
⑧ドリルドライバー(※)
※弊社での取扱いはございません。お近くのホームセンター等でお買い求めください。

 

概要と設計図

完成サイズ:幅約96cm・奥行き25cm・高さ72cm
3 種 計9コマのオープンシェルフ

 

 

印刷用の図面(pdf) はこちら

 

caDIY3Dの図面(cadiy) はこちら

※caDIY3D用図面はZIP形式で保存されております。解凍してご利用ください。

 

加工1・材料のカット

 

 

 

スライド丸のこを使い、木取り図の寸法どおりに材料をカットします。

準備するのは「長い材料と短い材料だけ」のたった2種類!
シビアな寸法調節の必要はありません。

加工2・クレッグジグのセッティング

まずは、クレッグジグの準備をします。

クレッグジグK5 は、加工前の準備や実際の穴あけがとても簡単にできる、使いやすいモデルです。

専用ドリルやビットも付属しているので、他にドリルとクランプがあればポケットホールジョイントが可能です。

まずは付属のエクステンションウィングを取り付けます。
長い材料でも安定して保持することができるようになります。

クレッグジグのセッティングはとっても簡単!

①使用する材厚にあわせてドリルガイドの高さを合わせます。
今回使用する材料は18mm ですが、ぴったりの目盛りはありません。 ロックピンを引きながら、ガイドを近似値の19mm の高さに合わせてください。 正しい位置で「カチッ」と止まるので微調整の必要はありません。

②ドリルの深さ調整を行います。
クレッグジグK5 に付属している

A. デプスカラーセッティングブロック
B. 六角軸ドリル
C. デプスカラー

を使用します。

A. デプスカラーセッティングブロックをジグ上に置いて、ドリルガイドにB. ドリルをセットします。A の穴は3/4” を使用します。その状態で6角レンチを使いC. デプスカラーをドリルに固定します。 ドリルの調整はこれで終了です。

セットが終わったドリル
ドリルは適切な深さで止まるので、穴が深かったり、または浅すぎたりといったミスは起こりにくくなっています。

最後はクランプ厚の調整
ラチェット方式のクランプは道具を一切使わずに最適なクランプ圧に設定できます。
セットはこれで終わり。
加工前の準備が簡単なのもK5 の大きな特徴です。
※セッティング終了後はすぐに本番の材料で加工せず、端材を用いて位置や深さなどの確認を行ってください。

加工3・ポケットホールの加工

設定が終わったら、いよいよポケットホールの加工です。

今回は小さな材料(棚)のみにポケットホールを施しますが、ここでひとつ注意点があります。
棚に開けるポケットホールは左右均等に加工した方が簡単ですが、左右の棚を長い材料(帆立)の両側から接合しなければならない部分が全部で4箇所あります。

 

例えば棚の前後20mm の位置に1つ目のポケットホールを開け、内部は均等に3分割するように位置決めしてしまうと、左右のスクリュー位置が全く同じになるため、スクリューが接触し接合するこができません。

 

この問題を回避するために、左右のポケットホール位置を左図のように変更する必要があります。

 

端材を使って、左右のポケットホール位置を記した定規を用意します。
図面上の数値だけで位置を追っていくことは可能ですが、実際に作った方が、穴位置のミスを防ぐことができます。

クレッグジグで使用するドリル位置に、定規の一つめの矢印を合わせて固定します。

定規の端で材料が止まるように、ストッパーを取り付け、クランプで固定します。
ストッパーの固定位置で穴位置が決まるため、全ての穴を正確な位置に開けることができます。

クレッグジグに棚板をセットしてポケットホールを開けていきます。
繰り返し、12 枚全ての穴に1つ目の穴を開けていきます。

1つ目の穴が全て開け終わりました。

次は2つ目のセッテイング。定規を次の穴位置にスライドさせ、ストッパーの位置を変えます。

2つ目の穴あけ。

ここから先は繰り返しの加工。片側の穴が全て開け終わったら、定規を反対側にして残りの4箇所も加工します。

全ての穴を開け終わりました。

棚板を左右に並べると、ポケットホールの位置がずれているのが分かります。このようになれば問題ありません。

加工4・組み立て

ポケットホールが開け終わったらいよいよ組み立てです。そのまま進めても良いのですが、その前に、ひと手間かけると仕上がりがグッと良くなる方法をひとつご案内!

今回使用した集成材の幅は250mm で、材料の長手方向には既に角面取りがさせていました。棚も帆立も同じ奥行きのまま組み立てるので、このまま接合ですと左写真のように帆立と棚の納まりに違和感があります。

これを改善するために、棚の左右を面取りしてみました。(トリマーと角面ビットを使用)

面取りした部分どうしが沈み込むようになったため、違和感がなくなりました。

それでは接合です。左右どちらから初めても問題ありません。
棚板の下側にポケットホールが位置するようにして固定します。
Kreg ライトアングルクランプを使用すれば、ビス打ちしていないポケットホールを使って接合することができるので、大変便利です。

作品が完成したとき、ポケットホールが表面から一切見えない状態が理想です。そのためには棚板のポケットホールが全て下側になるように組み立てる必要があります。


材料を接合する場合は、クランプを使って材料とその位置をしっかり固定してビス打ちをすることが大切です。

Kreg ライトアングルクランプはピンをポケットホールに挿し込み、ガッチリと材料をホールドします。
左図の3枚の棚板は、各々クランプの使い方を変える必要があるのですが、Kreg ライトアングルクランプは全て対応することができます。

①地板をジョイントする
Kreg ライトアングルクランプのピン部分を外側にして使用します。

②天板をジョイントする。
Kreg ライトアングルクランプのピン部分を内側にして使用します。

天板と地板が固定できました。

次は棚板です。用意した寸法合わせ用の当て板を差し込むことで、簡単に棚の位置を決めることができます。

T 字型の接合でも、Kreg ライトアングルクランプで接合することが可能です。

一列目の棚板の接合が終わりました。

残りはここまでの繰り返しです。一枚目・2枚目の帆立を固定したのち、二列目・三列目の接合を行って下さい。

どんどんサイズが大きくなっていくので、取り回しも大変になっていきます。3列目は今まで接合した順番の逆から行いました。

Kreg ライトアングルクランプがない場合や、使用できない接合箇所の場合は、直角の出た角材と通常のクランプを使用しながら工夫して固定しましょう。

あともう少し…。

完成!

3種類のコマサイズのオープンシェルフの完成です。収納力もたっぷりの、シンプルなデザインに仕上がりました。

 

PAGETOP