ターニング道場 フライ返し

キッチン周りの道具も作ってみよう!

フライ返しを作ってみましょう。
木製のフライ返しは焦げにくいような表面処理されたフライパンやホットプレートなどに使ってもキズが付きにくくて便利です。

下記の作成手順は、あくまでも参考です。
これらの手順は、作成者の技能、環境や材料、道具等が異なればそれらに適した対応が必要になります。最も安全で最適な方法を考慮し、おこなってください。
怪我・失敗等につきましては当社は責任を負いかねます。

作成手順で使用している商品は、ページ最後の「このHOW TOで使用した商品」より詳細がご覧いただけます。
もくじ


1.材料の準備
2.木工旋盤で全体の加工
3.ヘラの部分をつくる

 

1.材料の準備

材料:楢(なら)70mm x 300mm 厚さ33mm
材料にはあらかじめ大まかな形をマーキングしてあります。

 

使用ツール:

フィンガーネイルスピンドルガウジ13mm
(刃先を好みの形状に変えています)
パーティングツール 3mm

線に沿ってバンドソーでカットします。
バンドソーの刃は緩やかな曲線挽きにも使える6mm x 4山を使用。

錐などで端面の中心に窪みを付けます。
こちらは取っ手になる側です。

反対側も同様に窪みを付けます。
こちらはヘラになる側です。

使用するドライブセンターの先端をヘラになる側の中心に合わせて、木槌で叩きみます。

ドライブセンターの爪が少し食い込むようにします。


【ワンポイントアドバイス】

材料が硬い場合はドライブセンターの爪が曲がる事があります。時々メンテナンスして使うのが一般的です。ドライブセンターは刃物と同じように、ある程度の消耗品と考えましょう。

ドライブセンターを主軸に挿入します。
ドライブセンターを爪痕に合わせ、材料(ワーク)をセットします。

回転センターの先端は錐などで付けた窪みに合わせます。
テールストック側からテンションを加えてセンター間で材料を固定します。

回転速度を設定します。

回転直径は大きくありませんが変形した材料なので、ドライブベルトの位置は中速にしました。

速度調整ダイヤルも最初から高速にはせず、低めのところから始めます。
作業の内容や削る場所に応じて好みで調整してください。

2.木工旋盤で全体の加工

取っ手部分をフィンガーネイルスピンドルガウジで丸い棒にします。
端から外に出る(右側へ)ように削りましょう。

※この作業はスピンドルラフィングガウジを使っても良いです。

刃先だけでカジリ取るように削るのでは無く、ベベルをワークに擦りながら削りましょう

この場合、フィンガーネイルスピンドルガウジの溝は進行方向に向け溝の傾きは45°ぐらいにすると良いでしょう。

取っ手部分が丸棒になったら、実際に手で持つ部分などデザインしながらおよその目安を記入します。

パーティングツールで予定の太さより若干太いところまで荒削りします。

 

【ワンポイントアドバイス】

パーティングツールは材料に挟まれないように片側を開けて使いましょう。

フィンガーネイルスピンドルガウジで形を整えます。
高い方から低い方へ、太い方から細い方へ削り進みましょう。

細かなディテール作りもフィンガーネイルスピンドルガウジで加工出来ます。

取っ手とヘラの間を加工します。

加工部分の回転直径が太から細に急激に変化する部分です。
ベベルを擦りながら薄く少しずつ削りましょう。

板状になっていますので、ベベルが材料に触れたり離れたりします。
ツールのハンドルはフラフラしないように安定させて操作する必要があります。

このように削っている部分の太さが急激に変わる(太い方から細い方へ降りて行く)場合、ツールのハンドルを徐々に上げてベベルを擦りながら坂道を滑り降りて行くイメージになります。

取っ手とヘラの間がキレイになりました。


【ワンポイントアドバイス】

良くシャープニングしたフィンガーネイルスピンドルガウジを使いましょう。
キレイに仕上げるにはベベルを擦りながら削る"ベベルラビング"が必須となります。

ヘラ部分の側面を削ってみましょう。
回転直径が大きくなりますので、その分ツールレストを少し高くして削りましょう。

側面にRが出来ました。

各所、サンディングしてきれいに整えましょう。

取っ手の端を細くします。
完全に切り取らず少し残したところまで削ったらやめます。
無理すると折れてワークが飛び危険です。



【ワンポイントアドバイス】

使用したフィンガーネイルスピンドルガウジのベベル角度は40°です。


少し残した所で回転を停止させ、手のこなどどカットしましょう。

端の面をサンドペーパーで整えます。

3.ヘラの部分をつくる

ヘラの部分を好みの形状にデザインします。
先端にはクランプで固定するための捨て木部分が必要です。
ヘラ部分も仕上げサイズより若干厚くしておく事も忘れないようにしましょう。

ウッドクランプで捨て木部分を固定します。 
ウッドクランプがバンドソーのテーブルに平らに安定するように配慮し、フライ返しの取っ手が水平になるように調整しましょう。

最初にフライ返しのヘラ部分の表面(上面)を先にカットします。

最後に捨て木につながっている部分をカットします。
先にココをカットしてしまうとヘラの厚みを均一にするのが難しくなります。

最初に右側の部分①を切り取り、次は手前の小さな部分②、最後は左の部分③です(捨て木につながっていた部分)

木工旋盤に取り付けて使用出来るドラムサンダーでヘラの部分を成形します。
電動ドリルやボール盤に取り付けて使用するサンディングドラムや、スピンドルサンダーなどでも同じような作業ができます。

削り過ぎないように注意しながら少しずつ成形しましょう。

最終的な仕上げはカラトギサンドペーパーを手で持ってサンディングを行います。
滑らかな面に仕上げましょう。

美しい曲線のフライ返しが出来ました。

クルミ油、アマニ油、エゴマ油など食用の油をペーパータオルなどにしみ込ませて塗っておきましょう。

バリエーションで、サラダサーバーを作ることも可能です。

炒めたり、切ったり、混ぜたり、キッチンまわりの物が色々出来そうです。

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