1.材料を木工旋盤にセットする
 
       角材を用意します。
			  サイズ例:45mm x 45mm x 長さ 約370mm
			  材種例:ケヤキ
			  
			  作り方の例としてケヤキを使用しています。
		    一般的にすりこぎには"朴の木"(ホオノキ)や"山椒の木"(サンショのキ)が使用されるようです。
 
       両方の端面に対角線を書き、中心付近にポンチなどで印を付けます。
 
       片方の端の面にドライブセンターを木槌で軽くたたき込みます。
ドライブセンターは通常、木工旋盤本体に標準で付属しています。
 
       ドライブセンターの4つの爪が軽く食い込むぐらいにしましょう。
 
       ドライブセンターをヘッドストックの主軸に挿入します。
 
       回転センターをテールストックに挿入します。
回転センターも通常、木工旋盤本体に標準で付属しています。
 
        
       痕をつけた材料を木工旋盤に取り付けます。
ドライブセンターの爪と食い込ませた爪の痕を合わせます。
 
        
       反対側の端面中心にテールストックごと動かして、回転センターの先端を近づけます。
 
        
       中心の窪みと回転センターの先端を合わせます。
 
        
       テールストックを固定した後、ハンドホイールを回して回転センターで材料を押します。
 
        
       回転センターの先端が材料に突き刺さり、周りのリング状の輪の部分が材料に当たりました。
 
        
       実際に動かす前に、回転速度の調整をします。
駆動ベルト(ドライブベルト)は今回"中速"にしました。
			  材料の大きさや硬さを考えて調整しましょう。
		      
	        駆動ベルトの掛け替え方法は、お手持ちの木工旋盤の取扱説明書を確認してください。
 
        
       木工旋盤にスピードコントロールが付いている場合、駆動ベルトの掛け替えだけでなくこのようなツマミで回転速度を調整できます。
今回は回転速度を最低にして行いました。
2.すりこぎの形に削る
 
        
       それでは角材を削っていきましょう。
今回使用した刃物はスピンドルラフィングガウジです。
角材を丸棒に加工するのに適した刃物です。
スピンドルラフィングガウジは、材料の角を水平にしたとき刃先が同じくらいの高さになるようにツールレストの高さを調節して使用します。
 
        
       材料に角がある時は、スピンドルラフィングガウジの溝を上に向けたままハンドルを少し下げて使います。
 
        
       サポートする側の手(写真左手)は必ずツールレストに触れながら削ります。
		    ツールレストはなるべく材料に近づけて使用します。
※回転させた際にツールレストに角が当たらない位置を確認してから電源を入れてください。
 
        
       角がある状態では端から削り始めるのは難しいので、最初は端は"外に出る"方向でツールを動かします。
 
        
       このように少しずつ削りましょう。
 
        
       削り始める位置を少しずつ移動して角を削って丸い棒にします。
 
        
       ツールレストを移動させる時は必ず木工旋盤の電源を切ってから行います。
 
        
       旋盤作業では振動などで固定個所がゆるんでくることがあります。時々、テールストック側からの押す力が弱くなっていないか確認しましょう。
		    テールストックのスピンドル固定ハンドルを緩めます。
 
        
       "増し締め"が可能ならハンドホイールを回してして回転センターを前進させます。
 
        
       確認後は必ずスピンドル固定ハンドルを締めます。
 
        
       スピンドルラフィングガウジは材料の"削る部分"に対してなるべく垂直に当てて削りましょう。
 
        
       削りたい面が傾斜している場合も、角度に合わせて垂直に近い角度で使います。
 
        
       時々ノギスなどで計測しながら、全体がなるべく同じ太さになるように削りましょう。
 
        
       全体が丸棒になったら、いよいよすりこぎの形に削っていきます。
まずはすりこぎの両端を決めるため、両サイドの材料の端から10mm程度に1本、そこから20mm程度の位置に1本線を書き入れます。
 
        
       パーティングツールを使って線と線の間を削り細くします。
			  (作例では3mmのものを使用しました。)			  
水平にツールレストの上に置いた時、先端が回転軸の中心と同じ程度の高さになるよう調整します。
 
        
       パーティングツールは一度に深く削ってしまうと刃物が材料に挟まれてしまい危険です。
少し削ったら溝の幅を広げるように位置を変えて削るなど、材料にパーティングツールが挟まれないように注意しながら削りましょう。
 
        
       徐々に削って細くしまします。
 
        
       時々計測しながら、約25-26mm程度まで削ります。
 
        
       あまり細くしすぎると折れる事がありますので、注意してください。
 
        
       材料の両サイドを同じように加工します。
 
        
       スピンドルラフィングガウジで片側を細く削り、テーパー状にします。
 
        
       スピンドルラフィングガウジは太い方から細い方へ動かして削ります(坂を降りて行くように)
 
        
       すりこぎの先端はラウンドスクレーパーを使って"R"にしましょう。
 
        
       好みの形に近づけます。
3.仕上げ・木工旋盤から取り外す
 
        
       すりこぎの形ができたら、再びパーティングツールを使用して切り離す準備をします。
挟まれないように注意しながら更に細くします。
 
        
       パーティングツールは斜めに差し込んでも使用できます。
 
        
       もう一方も同じように加工します。
 
        
       パーティングツールを斜めに差し込めば小さな面取りを行う事も出来ます。
 
        
       あまり細くしすぎず15mm程度でやめます。
 
         両側とも15mm程度にしました。
 
        
       サンディングで作品の表面をきれいに整えます。
120番ぐらいのサンドペーパーからはじめます。
 
        
       全体をサンドペーパーで整えていきます。
 
        
       全体を320番ぐらいまで丁寧にサンディングしましょう。
 
        
       本体に近いところをノコで更に細くします。まだ完全には切り離さないでください。
            木工旋盤は必ず停止した状態にしてください。
 
        
       反対側も同様に細くします。こちらも完全には切り離さない状態にしてください。
 
        
       木工旋盤から材料を取り外してから残りの部分を切り落とし、繋がっていた部分をサンドペーパーで整えましょう。
 
        
       チャックを使わない方法で作った"すりこぎ"の出来上がり。
塗装はくるみ油・ウレタン塗料などお好みで。
 
				 
				 
				 
			     
                            
                        
















