
木工旋盤を使った木のペンづくりと全く同じ方法で、ポリマークレイを使った美しいペンづくりをすることができます。
カラフルな色と複雑な模様。ぱっと見ではどのよう作ったのかわからない、美しいパターンを身に纏ったペンは、まさに手作りできるペンの新たな可能性を十分に感じさせてくれることでしょう。
ポリマークレイのペンの作り方をご紹介します
下記の作成手順は、あくまでも参考です。
これらの手順は、作成者の技能、環境や材料、道具等が異なればそれらに適した対応が必要になります。最も安全で最適な方法を考慮し、おこなってください。
怪我・失敗等につきましては当社は責任を負いかねます。
作成手順で使用している商品は、ページ最後の「このHOW TO で使用した商品」より詳細がご覧いただけます。












まずは、ペン軸に貼り付けるためのパターンを作ります。
お好みの色を使ってお好きなパターンを作ってください。
ここでは、2色のポリマークレイを使ってつくるカレイドスコープ(万華鏡)パターンの作り方を簡単に説明します。
2色のポリマークレイを用意して、グラデーションシートを作ります。(グラデーションの作り方参照)
ここではフィモプロフェッショナル ターコイズ + トゥルーマゼンタのシートを使用しています。
シートを半分にカットしてから、クレイマシンを使用して細長く延ばします。
細長くなったシートを端から巻いていきます。
巻きはじめの色を変えることで、グラデーションの方向の異なる2本の円筒形ができます。
クレイの外周に余りのクレイとホワイトのシートを巻きつけたのち、
適当なサイズにカットして、複数本にします。
さまざまなサイズや形のバリエーションになるように、クレイを縮小したり延ばしたりします。
いろんな大きさや形のパーツを作りました。
できたパーツを思い思いに組み合わせて、ひとつの三角形のブロックにまとめていきます。
隙間がなくなるように形を整えました。
半分にカットしたのち、パターンが対称になるように貼り合わせます。
こうしてできた四角形を細長く整形してから4分割します。
4つのクレイを組み合わせて、カレイドスコープケーンの完成です。








ペン軸の芯になる真鍮のパイプにポリマークレイのパターンを巻きつけていきます。
今回は「クリック」というペンキットを使ってペンを作ります。「クリック」はペンの軸が一本タイプのシンプルなつくりのノック式ボールペン。
構造は非常にシンプルなので、ペンづくりの初心者に最適なキットです。
クレイを薄いシートにカットしていきます。
ティシュブレードを使って手作業でスライスしていくこともできますが、ポリマークレイ用のスライサーを使うと正確な厚みのシートにカットできて便利です。
薄くスライスしたシートを真鍮パイプの長さになるようまとめてから、形を整えます。
シートの表面にフィモリキッド(液体粘土)を塗り、広げます。
真鍮パイプをシートの上に乗せます。
クレイのシートを真鍮パイプに巻きつけます。
全体の形を整えたら、オーブンで焼成して固めます。











フィモで作ったペン軸を、木工旋盤で仕上げていきます。
基本的なペンづくりの方法は、木軸のペンづくりとほとんど同じ工程です。
オーブンで焼いたクレイは、焼く前と比べて若干色が濃くなる傾向があります。
(種類や色により、その程度は異なります。)
ドリルチャックとバレルトリマー・レースペンプレスアダプターを取り付けた木工旋盤を使って、ペン軸の端面を削って整えます。
クレイと真鍮パイプの断面を揃えることができました。
ペンマンドレルとペンブッシュを取り付けた木工旋盤に、ペン生地をセットします。
ツールレストをセットします。
使用するターニングツールは、EWT イージースタートペンターナー + ネガティブレイクのR2 替刃の組み合わせが最適です。
木工旋盤のスイッチを入れ、ツールをペン生地に当てて削っていきます。
回転数の目安は2000-3000RPM程度です。
ポリマークレイは一般的な木材に比べて柔らかいので、シュルシュルと気持ちよく削ることができます。
ペン軸の左右は、取り付けたブッシュとほぼ同じ高さまで削ります。
綺麗な筒状になったら削り作業は終了です。












旋盤で削り終わったペン軸は丸い形になりましたが、表面を手で触ってみるとまだ完全な曲面にはなっていないことがわかります。
ここからはサンドペーパーを使って、ツルツルの表面になるまで磨きこんでいきます。
サンディング作業をしっかりとおこなうと、最終的なペンの仕上がりがグーンとアップする、とても大切な作業です。
ポリマークレイのサンディングには、コバックス スーパーアシレックスを使用します。
樹脂材にもしっかり食いつき、さらに長寿命。空研ぎ・水研ぎ両対応の、高品質な研磨布です。
まずは360番から、木工旋盤の回転数を500RPM程度にして磨いていきます。
表面をまんべんなく研磨できたら、旋盤の回転を止め、サンドペーパーを左右に動かして表面の回転跡を取り除きます。
一種類の番手のサンドペーパーの研磨が終わったら、水で濡らしたウエスで研磨粉を拭き取ります。
この作業を、サンドペーパーの番手を上げながら繰り返していくと、ペン生地は時代にツルツルになっていきます。
今回は360番→1500番まで繰り返し研磨しました。
1500番まで仕上げたペン生地。わずかに光沢が出てきました。
ここで終了にして、表面をコーティングしても良いですが、今回はサンディングのみで仕上げをおこなうことにしました。
もう少し番手を上げて、サンディングのみで強い光沢を出すところまで持っていきます。
ここからは2000番から10000番までの粒度が揃ったペーパー「神ヤス!磨」を使用してみます。
これまで行ってきたサンディング方法と同じ手順ですが、水研ぎもできるペーパーでしたので水研ぎをしてみました。
研磨粉を流しながらサンディングできるため、高い番手のペーパーを使用するには適した方法です。
粒度が8000番を超えてくると、ペン軸が水を弾くようになっていきます。10000番まで終了したら、水拭きをします。
磨きの最終工程はプラスチック用のコンパウンドを使います。
専用クロスにコンパウンドを少量とって、ペン軸に擦り付けます。
旋盤の回転数を3500RPMにして、若干の摩擦熱がかかるようにクロスを当てていくと、美しい光沢が浮かび上がっていきます。
最後にもう一度水拭きをして研磨は終了です。





綺麗なペン軸が出来上がりました。
ペン生地にペン金具を取り付ければ、いよいよ完成です。
ペン軸にペン金具を取り付けていきます。
金具の圧入には、ペンプレスアダプターを取り付けた木工旋盤を使用します。
ペン金具の取り扱い説明書に従って順番に金具を取り付けます。クリックの場合はまず、ペン先の金具を取り付けてから、
ペン尻(クリップ側)の金具を取り付けます。
最後にペン芯を内側に入れれば、ポリマークレイのペンの完成です。
お好みのクレイパターン×ペンキットで、ペンづくりに無限の可能性を。
ポリマークレイ・ペンメーキングの可能性を楽しんでみませんか?