木工旋盤って何?

木工旋盤の基本をを紹介します!

「ウッドターニング」という、高速で回転させた木材に刃物をあてて削り作品を作る木工のジャンルがあります。
木工旋盤とは、「ウッドターニング」をする上で木材を回転させるための機械のことを指します。
仕組みが陶芸で使う”ろくろ”と同じということもあり、日本では”木工ろくろ”という呼び方をする場合もあります。

木工旋盤では一般的に「木工」といったときに思い浮かべるような机・タンスなどとはまた異なる、丸いもの(お皿・ボウル・つぼ・ペンetc)を作ることができます。
木工旋盤の楽しさ

木工旋盤の楽しさは何といっても削る瞬間にあります!
はじめてウッドターニングをする人は、その今までになかった感覚にびっくりするはずです。 刃を材料にあてたときにシュルシュルと紐のように木くずがでてくる瞬間などは感動すら覚えることでしょう。
百聞は一見に如かず、実際に削っているところを動画でご覧ください!


 
木工旋盤の選び方

木工旋盤は大きければ大きいほど、作ることのできるものの幅が広がります。
大きい木工旋盤だからといって小さい作品が作れなくなるわけではありません。

・ヘッドストックからテールストックまでの長さ(=最大加工長さ)
・ベッドからセンターまでの高さ(半径)×2(=最大回転直径)

この縦横2方向の範囲で加工できる材料の大きさが決まります。

※ヘッドストックにチャックを取りつけると、出っ張った分だけ最大加工長さが少なくなります。ギリギリの大きさで作品を作る場合はこの点も考えて材料を用意します。
※ツールレストベースの位置や大きさで加工サイズが制限される場合もあります。


木工旋盤によっては、オプションの延長ベッドを取り付けて最大加工長さを拡張することができたり、ヘッドストックを外側に向けて延長ベッドと共に利用し、最大回転直径を広げることができたりするものもあります。

また、加工できる大きさ以外にも馬力(HP/ホースパワー、または消費電力)回転数も木工旋盤を選ぶ時には大切な要素になります。

ご自身の作りたいものや工房のスペースに合わせて木工旋盤を選びましょう。

延長ベッドを取りつけた木工旋盤(写真:RIKON 木工旋盤 ライコンミドル)

ヘッドストックをベッドのテールエンドまでスライドさせてアウトボード(反対側)で加工できるようになっている木工旋盤(写真:POWERMATIC 3520B)

仕様に関するワンポイント・アドバイス
馬力(HP) モーターのパワー、回転の強さのことです。
大きければ大きいほど力強く削ることができます。
※一般的には1HP=約750Wといわれています。
回転数(毎分) 1分間の回転数のことです。RPMで表示されます。
回転させる材料の大きさによって変化する周速度を考慮して 調整しながら作業します。
センター間の長さ ヘッドストックとテールストックの中心から中心までの長さ。
取り付けることのできる材料の長さに関係します。
ベッドから
センターまでの高さ
ベッド(木工旋盤の平らになっている台)から
センター(回転の中心(芯))までの高さのことです。
取り付けることのできる材料の半径にあたります。
最大回転直径はベッドからセンターまでの高さを倍にした値です。
※ツールレストベースの位置や大きさで加工サイズが制限される場合もあります。
スピンドル
(主軸) サイズ
ヘッドストックについている主軸のネジサイズです。
使用するチャックなどはこのネジサイズに合わせて選びます。
ヘッドストック
テーパー
ヘッドストック側のモールステーパー(MT)サイズです。
使用するドライブセンターなどはこのテーパーサイズに合わせて選びます。
テールストック
テーパー
テールストック側のモールステーパー(MT)サイズです。
使用する回転センターなどはこのテーパーサイズに合わせて選びます。
ツールレスト
ポスト直径
ツールレストベースの穴に差し込む部分(ポスト)の直径のことです。
本体寸法 / 全長 木工旋盤本体の大きさです。
重量 木工旋盤本体の重さです。
定格時間 連続使用が可能な時間です。
標準付属品 木工旋盤本体に最初から付属している道具・説明書などのことです。
材料を固定する方法
削る前に、材料を木工旋盤に固定してみましょう。
固定する方法は大きく分けて3種類あります。
作品のつくりかたによって、その都度安全で作業しやすい方法を選びます。

1.ドライブセンターと回転センターで固定する(棒物・センターワーク向き)

木工旋盤に標準付属のドライブセンターと回転センターで材料の両端を固定する方法です。
材料の中心を出してから両端にドライブセンターと木槌で少し跡をつけてから木工旋盤本体に固定します。
(跡をつけるのは、簡単に外れないようにするためです。)

作業中もテールストックをこまめに調整して、常に材料を両端から押しつけた状態にしておきます。
主に棒物・センターワークで加工する際に使う方法です。

細い材料を固定する場合、ドライブセンターの代わりにドリルチャックで材料を掴むという方法もあります。

ドリルチャックは元々その名の通りドリルを掴むためのものですが、範囲内であればドリルだけでなく木材の丸棒なども掴むことができます。

2.フェイスプレートで固定する(鉢物・フェイスワーク向き)

木工旋盤に標準付属のフェイスプレートに材料を固定する方法です。
フェイスプレートと材料は木ネジで固定するため、強力に固定することができます。

ただし、木ネジを埋め込んだ分材料が無駄になってしまうデメリットもあります。
主に鉢物・フェイスワークで加工する際、板材に使う方法です。

3.チャックで固定する(センターワーク、フェイスワークどちらにも対応)

木工旋盤用のチャックで材料を固定する方法です。
チャックはジョーと呼ばれる部分を開閉させることで材料を固定することができます。
外側、内側どちらからでも固定することができます。
(内側から固定する場合は、あらかじめジョーが入る窪みを作っておきます。)

チャックによってはジョーの交換ができるため、より材料にあわせた形で固定できます。
材料のロスも少ない方法です。
センターワーク・フェイスワークどちらでも使えます。

木工旋盤で使用するフェイスプレートやチャックには、「緩み防止ネジ」という小さなネジが付いていることがあります。
この「緩み防止ネジ」は主に、逆回転させることが可能な木工旋盤で使用します。
詳細はHOWTO「緩み防止ネジについて」をご覧ください。

回転させている材料を削る方法
材料を削るためにはターニングツール(バイト)と呼ばれる刃物を使用します。
作るものの形や場所によって豊富な種類の中から選択して使います。
よく使われる基本的なターニングツールを紹介します。

スピンドルガウジ
棒物・鉢物どちらにでも使える。ボウルガウジより溝が浅い。
※動画に登場するスピンドルガウジは、先端の形状をフィンガーネイルタイプにしたものです。
 

ボウルガウジ
鉢物・棒物どちらにでも使える。スピンドルガウジより溝が深い。
 

スピンドルラフィングガウジ
角材から丸棒にするなど、棒物の荒削りに向いている。センターワーク専用のツール。
決してフェイスワーク(ボウルターニング)には使用しないでください。
 

スキューチゼル
棒状の加工において、上手く使えば削った面が非常にきれいになる
 

パーティングツール
材料を切断したり、目安の太さまで削ったり、角を作ったりできる。
 

スクレーパー
材料をツールの上面先端のエッジ(角)で削る。切削面は荒れがちだが、丸棒からお皿作りまでこなす。
 

これからやってみようと思っている方にぜひ見てほしいのがこちらのDVD、「ターニング道入門」
卓上の木工旋盤とチャックを使い、必要なターニングツールやアクセサリーの紹介を取り混ぜながら制作工程と注意点を丁寧に解説したオリジナルDVDです。
刃先の当て方、刃物の持ち方、砥ぎ方などウッドターニングの基本が一通り詰まっています。

オフおすすめ!作りたい作品に合わせて選べるバイトセット!

3本組 スピンドルターニングセット
主に棒物・センターワークで活躍する3本をおさえたセット。

<セット内容>
・19mmラウンドスクレーパー
・6mmパーティングツール
・19mmスピンドルラフィングガウジ

3本組 ボウルターニングセット
器づくりなどのフェイスワークで活躍する3本をおさえたセット。

<セット内容>
・10mmショート・ボウルガウジ
・19mmダブテールスクレーパー
・3mmパーティングツール

8本組 スペシャルファーストセット
木工旋盤でいろんなものづくりに挑戦したい方には、お買い得な8本セット。
センターワーク、フェイスワーク共に使えるオールマイティーな内容。

<セット内容>
・スピンドルラフィングガウジ 19mm
・スピンドルガウジ 13mm
・ダブテールスクレーパー 19mm
・スキュー 19mm
・カーブド・スクレーパー 19mm
・パーティングツール 3mm
・スピンドルガウジ 10mm
・ショート・ボウルガウジ 10mm
  

切れ味を保つために

刃物は使っているうちにどんどん切れ味が落ちてしまいます。
上手く加工できないという不満は、刃物の切れ味が落ちたことが原因であることが多いです。
また、切れない刃物は危険でもあります。
切れ味を保つため、シャープニング(刃物砥ぎ)を欠かさないようにしましょう。

KERV 6インチ・スロースピードグラインダー

スロースピードグラインダーは熱で刃物を痛めにくいように、一般のグラインダーの約1/2の回転数につくられています。常に木工旋盤の隣に置いておきたいグラインダーです。

ONEWAY ウルバリン・グラインディングジグ

木工旋盤用の刃物をフリーハンドで砥ぐのはなかなか難しいものです。常に同じ刃先の形状・角度に保ちたい、という方には、微調整が簡単にできる専用ジグの取り付けをおすすめします。
※写真はKERV 6インチ・スロースピードグラインダーへの取付例です。
※グラインダー本体は別売です。

Robert Sorby プロエッジ

砥石を使用しない、ベルトサンダーを使用したシャープニングシステムです。
通常の砥石(石素材)と異なり、粒度の変更(ベルト交換)が簡単で、交換後も素早く砥ぎ始めることができます。
テーブルの角度調整も指定された位置にセットするだけ。毎回同じ角度にセットできるため、刃先の角度が変わってしまうトラブルも軽減できます。

TORMEK 水冷式低速研磨機 T-7(基本セット)

木工用刃物に限らず、あらゆる刃物(ノミ・カンナ刃・ターニングツール・はさみ・包丁・ナイフ・ドリルなど)をジグを使って簡単・正確に砥ぐことができます。
水冷式のため刃が熱で傷むこともなければ、研磨粉が飛び吸い込んでしまうようなこともありません。

作品づくりで役立つアイテム

ここまでで紹介したのは木工旋盤をはじめるにあたって最低限必要なものでしたが、ここからは快適に作業を進めるためのアイテムの一部を紹介します。

バンドソー
材料の大まかな木取りに大活躍。サークルカット(材料を円形に切る)をしておくことで、もし木工旋盤の加工範囲ギリギリの材料を取り付けたいときや、振動を極力減らしたい時に有効な機械です。

ボール盤
ペンづくりのための穴あけや、作品の二次加工などに便利です。

芯出し・センターファインダー
丸太を輪切りにしたような材料でも、正確に中心を出すことができます。
中心に取り付けることで材料の無駄がなくなります。

キャリパー
片側で厚みを測りたい部分を挟むと、もう片方にその厚み分の隙間ができるという特徴を持っているため、目で確認できない花瓶のような中ぐり作品の材料の厚みを計測するのに便利です。

デプスゲージ
中ぐり作業中にどれだけの深さを削ったのかを目視で確認するのは難しいことです。
デプスゲージは、どれだけの深さを削ったのかが一目でわかる便利なアイテムです。

サンドペーパー
作品の仕上げに使用するのがサンドペーパー。
#80や#120から順番に#400ほどまでかけるのが一般的です。

塗料
作品の仕上げに。
基本的には一般的な木工と同じように塗装できますが、ウッドターニングには旋盤に作品を取りつけたまま塗装する、特殊な塗装法があります。
全体に塗料(レースポリッシュ)を塗り込んだあと、ウエスを回転する作品にあてることで、塗料に含まれるアルコール分を飛ばしてあっという間に仕上げることができます。レースポリッシュを使用する方法では、木目を生かした美しい仕上がりになります。
また、食べ物の入れ物にしたい場合は、身体に害のないオイルによる仕上げや、耐水性が必要な場合はウレタン系の木固めエース、または漆などで塗装すれば高い防水性が得られます。
お好みでお選びください。
 

安全のために
楽しい木工旋盤でも危険はつきものです。木材の破片や粉じんの対策をしっかり行いましょう。

このHOW TOで紹介した商品

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